試験対策を把握し、効率よく学習する

  • Wさん(男性)
  • 物流会社勤務

私は現在国際物流業を行うフォワーダーに勤務しており、入社してもうすぐ丸4年になります。営業職として、主に中国・東南アジアからの輸送手配・通関手配のサービス提供を顧客に行っております。

他業界から転職した経緯もあり、業界知識向上のため貿易実務検定にチャレンジしてまいりました。C級(平成25年12月受験)・B級(平成27年8月受験)と順に合格し、続けてA級にもチャレンジしましたが(平成27年12月受験)、その際は上手くいかず不合格となりました。今回晴れてA級に合格することができました。A級合格までに至る経緯や勉強方法等ご紹介させて頂きます。

C級・B級については選択式であることも考慮し、語弊があるかもしれませんが、浅く広く理解を深めることでカバーできるため、概要や枠組みを理解し、基礎知識をつけることに注力しました。しかしながらA級については各分野の深い理解が求められます。特にC級・B級と違い実務形式ですのでテキストを熟読するだけでなく、過去問の反復演習によるアウトプットが非常に重要だと感じました。

特に書類作成の比重が高いため、BL・LC開設依頼書・荷為替手形・保険証券など頻出する書類を始め、作成作業を繰り返し行いました。確実に点数が取れるポイントですのでここを抑えることは基本だと思います。また、運賃計算についても内容を理解していれば仕組みは同じですのでこちらも確実に点数を取る必要があります。

文章問題については、やはり貿易金融・外国為替の内容が難解でした。ここは丸暗記ではなく、仕組みから理解していくことが重要で、テキスト熟読→過去問演習の繰り返しが必要です。ここまで抑えればある程度の点数確保は可能ですので、注力するポイントだと思います。A級はC級・B級に比べて合格点は低いため、点数を確保できる問題を確実に取りにいくことが重要です。課税価格の計算・通関関係の問題については、通関士資格の勉強をしていれば点数が取れるポイントですが、そうでなければかなりの勉強時間が必要だと思いますので優先度は下げても良いかもしれません。

貿易実務の学習内容はざっと上記のような内容ですが、実際の試験で最も大事なことは「時間配分」です。私自身もA級1回目の受験の際、問題を解く力はつけていたのですが、時間配分に失敗し、問題を解き切ることができずに不合格となりました。

貿易実務の試験時間は120分もありますが、問題数が多く、書類作成には時間を要するためかなりハイペースで解かないと時間が足りません。悩む問題は後回しにし、自信のある確実に解ける問題から一気にこなしていくことが非常に大事だと感じました。私も1回目の受験の反省を生かし、今回はスタートからハイペースで解きましたが、それでも制限時間ギリギリでした。正直、問題をゆっくり考えて解く時間は無く、むしろ悩んで考えているような問題は捨てる覚悟が必要です。

貿易英語については、かなり難易度は高いと感じられます。相当英語に自信のある方でないと高得点は望めません。頻出する定型分の暗記と、記述式ですのでとにかく文法に自信が無くても解答欄に書けるだけ書くことが大事ではないかと思います。部分点も積み重なれば大きくなります。

貿易マーケティングは、個人的には点数を狙える科目だと思います。暗記する言葉は多いですが、学習範囲自体はさほど広くはなく、短期間でも点数アップが可能です。また、ビジネス全般に通じる内容ですので、理解しながら進めていくと興味深く勉強を楽しめると思います。

最後に、貿易実務検定はあくまで仕事に役立つ知識向上のきっかけになり、この知識を仕事でアウトプットしていくことが実際のビジネススキル向上に繋がると感じます。また、実際のビジネスの中では教科書どおりではなくイレギュラーな事象も多々発生します。都度ケーススタディを行い、柔軟な思考と幅広い知識を構築していくことが最も大事なことだと思っています。

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