貿易業界への第一歩
- Iさん(女性)
- 専門学校在学中
現在私は、専門学校で貿易や物流を専門に学んでいます。貿易大国日本の要となる貿易と物流の分野で、他国と繋がる架け橋を担うことによって、自国の社会を支える仕事がしたいとの思いで入学をしました。このような大きな目標を持っているものの、実際には貿易に関する専門的な知識は皆無でした。
学校のカリキュラムでは、この貿易実務検定C級が4月に学校へ入学してすぐに学び始める検定の1つであったので、毎週二回の授業を通して10月の検定試験に備えていました。しかしながら、私は入学時からこの検定と並行して通関士資格取得にも取り組んでいたため、10月の試験日が重なり12月に受験をすることとなりました。そのため10月までは通関士資格取得のための勉強に比重を置き、その後の約2か月間で貿易実務検定C級の勉強を集中して行いました。当時はクラスメイトが皆10月の試験に合格し、すでに次の資格取得に向けて勉強を進めている中での受験であったため、これ以上遅れることはできないというプレッシャーを感じながら勉強をしていました。
学習はテキストで学んでから過去問題を解くという形で進めました。私は普段勉強した内容を復習する際には問題を多く解くことを意識していますが、この検定の勉強に関しては問題を解くよりも、とにかく学んだことの復習に力を入れました。学び始めから試験を受験するまで比較的時間に余裕があったということも理由の1つですが、これから貿易や物流業界で働くことを志望している私にとって、検定試験での高得点のためだけに勉強するのではなく、ここで1つ1つを明確に理解することが重要であると考えたからです。また検定試験の対策上もそのように十分に理解をしていれば、過去問題を解いた際にどこが理解できていないのかをすぐに判断することができるので、直前の試験対策にも焦らず取り組むことができました。
実務の問題では、過去問題を解いていくと分野ごとに出やすいポイントが見えてきます。たとえ苦手な分野があっても、そのポイントは確実に押さえておくことが必要であると感じました。
私が実務の勉強で最も苦労したことは、貿易のモノ・カネ・カミの3つの流れを学ぶ際に、この流れを相互に関連させながら理解をしていくことでした。それぞれの専門用語を理解することにも時間がかかりましたし、実務経験がないため業務上のどのような場面かを想像し、その関連性を理解することにも時間がかかりました。そのためまず私は輸入者と輸出者の2つの視点に分けて考え、それを何度も紙に書きだすことで理解に努めました。このように、各立場からの視点で考えてからそれぞれを重ね合わせることで、時間はかかりましたが結果的に全体の流れを深く理解することができました。
英語に関しては非常に高い英語力が必要であるとは思いませんが、日常の英語では使わないような貿易業界特有の専門用語について暗記する必要があると感じました。問1では、単語だけで20点分の配点があります。問2の日本語訳選択問題での思いがけないミスや問3の高配点問題でのミスを考えると、必ず得点を取っておきたい問題だと考えて勉強をしていました。この単語問題についても過去問題を解いていくと、ある程度頻出度の高い単語が分かってくると思います。一度問題で出た単語は、必ず覚えておくつもりで勉強を進めたほうが良いと感じました。また私自身の経験上、特に日本語訳の選択問題では問題を解き終わった後に今一度見直しをすることをお勧めします。似通った選択肢が並んでいるため、思わぬ場所での選択ミスが起きやすくなっています。
私自身、C級の検定の勉強を通して基礎を学んだことで、それまでの貿易に関する漠然としたイメージを明確な知識に変えることができました。今後、貿易に関わっていく上での第一歩となる勉強になったと感じています。また、この受験において丁寧なご指導を頂いた学校の先生方や、放課後に勉強を教えてくれたクラスメイトには深く感謝しています。
私は基礎をしっかり築くことができれば、その後の勉強をより効果的に進めることができると考えています。今後貿易の勉強を始める方にはまずC級へのチャレンジをお勧めします。
C級準拠のオフィシャルテキストが改訂4版になります!
最新の法令改正や環境の変化、そしてインコタームズ2020にも対応させました。